中高年の就活_履歴書・職務経歴書

破産

破産後すぐに始めた仕事探し|年齢・空白・未経験との戦い

破産しても生活は続く——まず必要なのは「収入」だった

破産を決意し、弁護士に依頼して受任通知が出されると、督促は止まりました。
でもそれで終わりではありません。現実には、家賃も光熱費も生活費も容赦なくやってきます。

私にとって、次に直面したのは「今月どうやって暮らすか」というごく現実的な問題でした。


飲食のアルバイトで得たものと、その限界

破産の決断をさかのぼる半年前から、私は飲食店でアルバイトをしていました。

当時はまだ事業の継続をあきらめていなかったので、「ネットの注文さえ戻れば会社は維持できる」という希望がありました。バイトはあくまでプラスアルファの収入源としての選択。当時の流れを振り返ります。

実は飲食関連の資格も持っていたことから、最初はイタリアンレストランに応募しましたが不採用。
次に応募したのは、全国展開の飲食チェーン。その会社の社長がなんと高校時代の部活の後輩でした。

これには一瞬ためらいましたが、とにかく収入を得ることが優先。すぐに採用が決まり働き始めました。

想像通り飲食の仕事は体力的にハード。当たり前ですがお昼時や夜になるとお客様が津波のように来店されます。
しかも職場では、高校生たちが“先輩”という逆転した立場で、精神的にもなかなか堪える環境でした。

でも、レジでのお客様からの「がんばってください」という一言に救われたり、少しずつ仕事に慣れることで喜びも感じるようになっていきました。


破産後、月8万円では暮らせない|就職活動を決意

しかし破産の決断とともに事業を完全に停止。
飲食バイトではシフトのからみもあって月8万円ほどの収入が精一杯でした。これでは当然ながら生活は成り立ちません。

「フルタイムで働かなければ」と心を決め、再び就職活動を開始しました。


応募しても採用されない日々|ようやく決まった先は…

まずは一番に思い浮かべるハローワークに通い、条件の良い求人を探しました。
ただ正直、給与や内容が合う案件は少なく、希望する職種にはなかなか出会えません。

ネットの転職サイトにも登録し、毎日のように応募を続けました。ですが、返ってくるのは不採用通知、もしくはまったく音沙汰なし。

ようやく一社、物流系の事務職で採用されましたが、「高齢のオッサンに何ができる」という雰囲気のいじめのような扱いを受け、一気に精神を患いかけました。いくら収入を得たくても心を病んでは元もありません。ここはわずか5日で辞表を提出することに。

「やはり年齢的にもダメなのか」「自分に働き口なんてあるのか」——心が折れそうになる日々でした。


派遣会社からの提案|まさかの経理事務へ

そんなある日、ネットで応募した派遣会社からオンライン面接の案内がありました。
最初に希望していた職種ではありませんでしたが、担当者からこんな提案があったのです。

「ご経歴を見ると経営のご経験がありますよね。
それなら経理事務はいかがでしょう?今、ちょうど求人があります」

そうして紹介されたのが、ある上場企業の経理部門での派遣求人でした。
まさか自分が上場企業の経理をするとは思っていませんでしたが、考えてみれば、事業時代には会計帳簿をつくり決算書も全部見てきたのです。

何よりも「生活を立て直したい」という一心で、その求人を受けることにしました。

中高年の就活_ファストフード店員・デスクワーク

再スタート|見栄やプライドを手放して

派遣社員として経理の仕事を始めたことで、ようやく「生活が回り始めた」という実感が得られました。
もちろん、まだまだ再起の道はこれからです。

でもこの経験を通して学んだのは、「過去の肩書きやプライドを手放すこと」が再出発の第一歩だということでした。今考えると飲食のアルバイトも耐性がつくという意味で良い経験になりました。

破産は「終わり」じゃない。
それは、まぎれもなく「やり直しの始まり」でもあったのです。


次回予告:とにかく大変だった提出資料の多さ|必要な財務資料は想像以上にたくさんある

次の記事では、弁護士に提出を求められた資料が想像以上に膨大だったことを書きます。

金銭に関する資料を探すこと、なければ再発行してもらうためにあちこちに連絡を取るはめになった苦労を書き出してみます。

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