家計や財務に関する資料集め_デスクに山積みの書類やファイル

破産

弁護士に提出する書類の準備で感じた大変さとコツ

最初に弁護士事務所に行ったとき、あらかじめ「これくらいの資料は必要だろう」と自分で考えうるものを用意して持ち込みました。

まずは必要だと考えて持参した資料

例えば法人関連のものは財務・会計に関する一式をおよそ3期分

  • 決算書
  • Amazon、楽天市場、Yahooショッピング各モールの売り上げ履歴
  • 預金通帳・当座勘定照合表
  • 請求書、領収書、レシート類
  • 法人クレジットカード利用明細

など。

個人に関するものを1~2年分

  • 預金通帳
  • クレジットカード利用明細

個人に関する資料は他に思いつかなかったので、とりあえずこれらを持参しました。量では個人の分はそれほどでもありませんが法人関係はカバンいっぱいになる量になりました。

なお、下でも書いていますが後々弁護士から追加の資料を求められて、その都度持っていきましたが、この記事を書くにあたってリストアップしたら膨大な量でした。したがってこの記事ではいっぺんに書き出すことをせず、後日別記事で一覧にして書いてみます。

弁護士からのヒアリング それは過去の自分と向き合うこと

すでに書いたように訪問した初日ですぐ正式依頼。(実際は契約書の押印と着手金を入金して契約成立ですが)

この日の面談では、ざっと次のようなことのヒアリングを受けました。

  • 法人・個人の借り入れ状況(借入先の洗い出しや金額など)
  • 借り入れが膨らんでいった経緯
  • 保有している金融資産
  • 加入している生命保険・自動車保険等
  • 大きな買い物の有無等
  • ギャンブル経験の有無

これらを説明するというのは自分自身の過去の洗い出しになります。話しているうちに自身の経営の至らなさ、家計管理のルーズさなどが改めて浮かび上がるので、情けなくて一層気分が落ち込みます。

破産手続きのスケジュール

だいたいの状況説明が済んだところで、今後の破産手続きの流れの説明を受け、打ち合わせのための面談日を決めます。だいたい月1回ほどの打ち合わせを繰り返すことになりました。

この初回面談は8月中旬でしたが、弁護士の説明ではできるだけ年内には破産申し立てを裁判所に提出したいとのこと。

そして私のような法人破産では必ず「管財事件」となるので債権者集会が最低2回は行われるとのことでした。

ここでひとつ情報を挟みますが、個人の「自己破産」ではギャンブルや金額が多い浪費などの理由以外の比較的軽微な原因の破産では、破産申し立てと同時に免責(借金の返済責任が無くなること)が決定される「同時廃止」というものがあります。

同時廃止の場合、比較的短期間で破産が完了します。

私の破産事件での大まかなスケジュールを説明されましたが、「早くて年を越した春ごろの完了となるでしょう」とのこと。内心「来年春か、長いなー」と。(この時点では、もっと長くなることになるとは知らずに…)

そして帰り際に渡されたのは家計簿の用紙と陳述書という20ページにもなる書類。

自分のルーズさに気づかされる家計簿の記帳、でもこれは家計を立て直す第一歩だった

「これから家計簿を記録して全てが終了するまで毎月続けてください」と言って渡された空欄の家計簿用紙。

会社の帳簿はきちんとつけていましたが、自分の家計簿は正直これまでつけたことがありませんでした。

というのも自分自身では何かに浪費している自覚は無く、外へ飲みに行くことはごく親しい友人と月一程度。食料品だって贅沢しているつもりはないし…。

その程度のコントロールが出来ていれば十分と思っていました。

しかし日々のほんの些細な買い物、例えば電池1個の購入でもレシートは全てすべて受け取り記録していくと、どんなことに出費が多いのかが徐々に分かるようになっていきました。

光熱水費では、なんとなく「夏と冬は金額膨らむなー」と思う程度で、これまでは引き落とされる金額をきちんと確認することも無かったのですが、過去の分も含めて改めて確認したことで大いに意識が変わっていったのです。

陳述書の記入と陳述作成も大変な作業

陳述書は、家族構成から始まって借金の用途、ギャンブルの経験、スナック・キャバレー等の飲食、風俗店での遊び、20万円を超える買い物、過去の延滞の有無、さらには今後の生活の立て直し手段と心がけの記述をする20ページの書類でした。

これらを記入して後に提出しなければなりません。たいていの質問事項はチェックマークを記入すれば良いのですが、正確なデータが必要な項目はスマホのカレンダーを見て過去の記憶をたどったり、買い物履歴のメールを探したりするのが結構労力となります。

あれこれ調べながら記入していると日にちもかさんで1か月くらいはゆうに経ってしまいました。


とにかく書類を揃えるだけで精神的に参った

弁護士は私の持ち込んだ資料を精査します。そこで浮かび上がった不明点などは随時連絡が入りました。

「○月○日の出費は何に使ったものですか?」「ではそれに関する請求書や領収証はありますか?」「無ければ再発行を申し込んでください」

といった具合です。すぐに答えられる(記憶が残っている)ことは即答できますが、意外と小さい金額のことを聞かれることもあって、そういう場合だと(それって何だっけなー?)と即答に困る時があります。

「しらべてからまた返事します」のようなやりとりが繰り替えされました。そしてまた資料探して荷物をひっくり返すことになります。


事前に知っておけば楽だったコツ

ここで、私の経験から日頃やっておいたほうが良いなと思ったことをいくつかまとめておきます。

  • 📁 契約書関係はひとまとめにしておく
    → 今回のことで改めて知ったのは、家の賃借契約書や貸し駐車場、レンタル品の契約書など、それらの契約書は必須になることでした。
    それらを無造作にしていたわけではありませんが、それぞれがいろんな場所に保管してあったので探しまくることに苦労しました。
  • 📅 クレジットカードの利用履歴はファイリングしておく
    → 弁護士は債務が発生しているカード会社については弁護士から履歴照会がされるので把握できますが、債務が発生していないカードについては履歴照会がされません。なので先に書いたような、弁護士からの質問が来たときのためにも履歴は保存しておくと良いでしょう。
    最近は紙媒体が無くなってネットのマイページでというケースも多いですがこの場合もプリントアウトしておくと回答のとき助かります。
  • 💻 ExcelやWord等で自分の履歴を作っておく
    → アプリケーションは何でも良いですが、改めて自分を振り返ってどんな出来事があったか、どんな買い物をしたかなどの履歴をまとめておくと良いです。
    Excelはその履歴で金額集計することもできますしね。

これらは自己破産に縁が無いような人は必須ではありませんが、きちんとした生活の管理という意味ではやっておいて損ではないと思います。


破産は“手続き”であり、同時に“再構築”の始まり

書類を揃えるという作業は、確かに大変ですし、つらい気持ちになることもあります。
でもそれは、「過去を振り返る時間」であり、「新たな人生のスタート地点に立つ準備」でもあります。

弁護士に任せきりにするのではなく、自分でもきちんと向き合うことが、逆に再出発の覚悟を強めるきっかけにもなると感じました。


次回予告:派遣で経理職に就いてみたら?|実際の仕事内容と現場の空気感

次の記事では、派遣で入った経理職のリアルな仕事内容や、
現場の雰囲気、未経験でも対応できるのか?といった視点でお話ししたいと思います。

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