自己破産を決意する前に弁護士に相談_法律事務所がある建物

破産

破産はゴールではない。自己破産を決意する前に“本当にやっておくべきこと”5選【実体験から伝えたい】

破産の決断は、人生の中でも非常に重いものです。
私自身、事業が傾いてから「もう少し売上が戻れば」「来月はきっと…」と、希望と現実のはざまで何ヶ月も葛藤していました。

しかし現実は厳しく、資金が尽きたとき、ようやく破産を決断することになりました。
そのときに強く思ったのが──
「もっと早く行動していれば、こんなに追い込まれずに済んだのではないか」
ということです。

この体験から、これから破産を検討している方に向けて、「破産の前にやっておいて本当に良かった(あるいはやっておけばよかった)」と思うこと5つご紹介します。


1. 資金があるうちに“破産の計画”を立てておく

破産は、すべてを出し切った「最後の一手」と考えがちですが、むしろ資金があるうちに準備を始めることが非常に大切です

例えば、資金が完全に枯渇する半年前くらいからシミュレーションを始めるのが理想です。
事業主や個人の場合、家賃・税金・売掛金・在庫処分・従業員のことなど、破産の前に整理すべき項目は多く、それなりに時間もかかります。

資金が底をついた時点で動き出すと、選択肢が極端に限られてしまいます。
「少し余裕があるうちに動く」ことは、決して早すぎることではありません。


2. 法律事務所や法テラスの相談先は早めにリストアップを

いざ「相談しよう」と思っても、予約が1〜2ヶ月待ちというケースも多くあります。
そのため、破産を本格的に検討する前から、相談先の候補を調べておくことが非常に重要です。

以下のような情報をストックしておくと安心です。

  • 自治体の無料法律相談(市区町村のHPに案内があります)
  • 法テラスの無料相談窓口
  • 地元の弁護士会の法律相談センター
  • 破産申立て実績のある法律事務所の候補(口コミやHPをチェック)

特に法テラスのように「弁護士費用の立て替え制度」を利用できる場合、収入要件の確認も含めて早めの問い合わせが必要です。


3. 相談内容は必ず“リスト化”して持参する

私は今回の自己破産ではすでに手遅れで無料相談ができる段階では無かったので飛び込みですぐ依頼しましたが、以前ほかの案件で無料相談に行ったことがありますが、無料はだいたい30分というのが相場です。

しかし30分はほんとうにあっというまで、話がまとまらず時間を無駄にしてしまいました。
事前に要点を整理しておかないと、ただ状況を説明して終わってしまいます。

相談に行く前に、以下のような内容を紙やメモアプリにリスト化しておくことを強くおすすめします:

  • 借入先と残高(正確な金額でなくてもOK)
  • 今後の収入見込みや生活費
  • 任意整理との違い、破産した場合の生活の変化
  • 弁護士費用の目安と分割可否
  • 自宅・車・家財は手放す必要があるか

できれば最初の5〜10分で状況を説明し、残り時間を「聞く時間」にあてるのが理想です。

ひょっとしたら弁護士のアドバイスで自己破産とは別の方法が見えるかもしれません。


4. 公共料金などの支払い方法を見直しておく

破産に入ると、クレジットカードはすべて使用停止となります。
その前に、電気・ガス・水道・通信費などの支払い方法がクレジットカードになっていないか確認してください。

可能であれば、銀行口座引き落としやコンビニ払いなどに切り替えておくことが安全です。

また、破産を意識した時点で、クレジットカードの利用は原則ストップするのが望ましいです。
最後のあがきで使ってしまうと、免責に不利な影響を及ぼす可能性もあります。


5. 最後の資金確保のために「一部滞納」も選択肢に

お金が無くなったら自己破産。

しかし破産には費用がかかります。地獄の沙汰も金次第などということわざがありますが、これは真理です。

相談料・弁護士費用・裁判所の予納金、そして手続きが完了するまでの生活費…。

私の場合、すでにギリギリだったため、一部の借入返済や支払いを滞納して“弁護士費用”を確保する選択をしました。
当然、精神的には辛かったですし、申し訳なさもありました。

でも今思えば、すでに返せない状態にあったのだから、必要な資金を確保して早く弁護士に任せるべきだったと思います。

特に真面目な人ほど「迷惑はかけられない」と返済を続けてしまいます。
ですが、破産の意味は“借金を返さなくていい”のではなく、“法的に整理して再出発すること”
その視点に立てば、資金の使い方も変わってくるはずです。


■まとめ:迷ったら、まずは「動く」。それが一番の備えになる

破産の手続きは、準備も含めてそれなりの時間とエネルギーが必要です。
そして一番辛いのは、「どこにも相談できず、ただ時間だけが過ぎていく」あの時期です。

  • 資金が尽きる前に準備を始める
  • 弁護士や法テラスの相談窓口をリスト化しておく
  • クレジットカードの依存を見直す
  • 最後の資金は冷静に使い道を選ぶ

これらを意識するだけで、破産という決断も冷静に、前向きに乗り越えることができるはずです。

いま、悩んでいるあなたへ。
「もう無理かも」と思ったときこそが、動くべきタイミングかもしれません。

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