パソコンでオンライン面談を受ける男性

中高年の仕事探し

自己破産直前の仕事探し──60歳・無職からの再出発

自己破産を視野に入れて仕事探しを始めた当時、何よりも不安だったのは「60歳で採用される先があるのか?」ということでした。

世の中では40〜50代の転職すら難しいと言われるなか、いまさら自分を雇ってくれる会社なんて本当にあるのか? これは切実な不安でした。

それでも自己破産という現実を前にすれば、「不安だからやらない」という選択肢は無く、やるしかありませんでした。

今回は、そうした中で私がどんなルートで仕事を探し、どんな経験をしたのかをリアルに綴ります。


第1章:最初に頼ったのはハローワーク

求職といえばまずは「ハローワーク」。私は最寄りのハローワークに赴いて求職者登録をしました。

ハローワークでは館内端末で求人を探せますが、同じ情報は自宅のパソコンからも検索できます。

私は主に自宅で検索し、気になる企業の求人票をプリントアウトしてから窓口に相談に行くスタイルをとっていました。

窓口では担当職員が企業に電話をかけ、求人状況や応募の可否を確認してくれます。OKが出れば、履歴書や職務経歴書を送付(最近はメール添付のPDF形式が主流)します。

ハローワークのメリット・デメリット

メリット:

  • 窓口職員が個別の事情に応じてアドバイスをくれる。
  • 長年の経験を持つ職員は、求人企業の裏側も見えており、応募の際の注意点なども教えてくれることがある。

デメリット:

  • 混雑する時間帯だと相談までにかなり待たされる。ハローワークに行く日は時間の余裕を持った方が良い。
  • 担当職員は選べない。メリットの中でアドバイスをくれる、と書いたが若い派遣職員だったりすると事務的に進行していくのみ。

なお、WEBデザイン系の職種に応募したとき、ベテランの職員から「人物は採用しないのに提出させた制作実績の作品だけ取っていく企業もあって、応募期間がやたら長い会社はそういうのを心配してる」と教えてもらったことも印象に残っています。

これが事実かどうかは私にはわかりませんが、「デザインいただき」というのはありえる話ではあるなと感じました。


中高年の就活_履歴書・職務経歴書

第2章:ネット求人サイトとの出会い

ハローワークでの応募がなかなか通過しなかったこともあり、ネットの求人サイトを見るようになりました。

ネット求人サイトでは、業種・勤務地・雇用形態・給与などを細かく絞り込め、応募もその場で完結するため、非常に効率が良く感じられました。

応募後の反応は企業によって異なり、当日中に返信が来ることもあれば、1〜2週間後に突然面接案内が届くこともありました。スピード感はまちまちです。

ネット求人サイトのメリット・デメリット

メリット:

  • 自分のペースでいつでも検索・応募ができる。
  • 条件に合う求人をスピーディに見つけやすい。

デメリット:

  • ハローワークと違って企業の風土や職場の雰囲気などの情報が得づらい。自分の判断だけが頼り。
  • 掲載情報と実態にギャップがあることも。ネット求人に限らないが「週休2日」と「完全週休2日」との違いや残業の取り扱いなどを知っておく必要あり。

第3章:派遣会社の活用──思わぬチャンスの入り口

ネットで見つけた求人には、派遣会社が仲介する案件も多数含まれていました。当初は「派遣か……」という抵抗も正直ありましたが、いざ登録してみると、非常にスムーズに話が進みました。

派遣の場合、まず派遣会社と電話またはオンラインで面談し、スキルや希望条件を伝えます。その後、条件に合いそうな求人が紹介されるという流れです。

私の場合は、資格を活かした職種に応募したところ結果は不採用になりましたが、担当者が私の過去の経歴に注目し、「母体企業から経理事務の求人も出ていますが、いかがですか?」と別案件を提案してくれたのがきっかけで、今の職場に繋がりました。

派遣会社のメリット・デメリット

メリット:

  • 担当者が希望やスキルを踏まえて求人を提案してくれる。
  • 自分で探す手間が省ける。
  • ネット掲載前の非公開求人を紹介してもらえることもある。

デメリット:

  • 「派遣」という働き方自体に抵抗がある人には向かない。
  • 派遣先の更新が切れるリスクもある。最長でも3年で終了するルールがある。(ただし60歳以上の派遣は「3年ルール」の適用外。更新してもらえればという前提だが法的な期限が無い)

結び:不安があっても動き出すことが道を開く

60歳という年齢、そして破産という切迫した状況の中での求職活動は、不採用が連続することもあって心が折れそうになることの連続でした。

「本当に採用してもらえるのか?」という不安は常につきまといましたが、動き出してみれば予想外のルートが開けることもあると実感しました。

ハローワーク、ネット求人サイト、派遣会社──それぞれの特徴を活かしながら、自分のスタンスに合った探し方を見つけていくことが、再スタートの第一歩になるのだと思います。

同じように不安を抱えながら就職活動をしている方にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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