破産にあたってクレジットカードから別の支払い法に切り替える

自己破産と倒産

【クレジットカードが使えない!?】破産準備で見直した「支払い方法」の全記録

はじめに:カードが使えなくなる現実

自己破産を決意し、準備を進めていく中で避けて通れないのが「クレジットカードの利用停止」。破産手続きが始まれば当然、保有しているクレジットカードはすべて使えなくなり、契約も解除されます。

しかし、いまや生活のさまざまな場面でクレジットカードは深く根を下ろしています。家計の中で何がカード払いになっていたか? クレジットカードが使えなくなると、どこに支障が出るのか?──それらをひとつひとつ洗い出し、支払い方法を切り替えていく作業は、破産前に必ずやっておくべき重要な準備でした。

この記事では、実際に私がどのような手順で支払い方法を見直していったのか、代替手段として活用したもの、そして気づいた落とし穴などをすべてお伝えします。


1. まずは「クレジットカードに依存していた支払い」を洗い出す

まず最初に取り組んだのは、クレジットカードで支払っていた固定費の把握です。意外と多くの支払いがカードに紐づいており、以下のようなものがありました:

  • 電気・ガス・水道などの公共料金
  • 携帯電話(音声回線+データ通信)
  • 自宅のインターネット回線(光回線)
  • NHK受信料
  • サブスクリプションサービス(Amazon、Netflix、Spotifyなど)
  • 自動車保険
  • ETC料金

毎月当たり前のようにカードから引き落とされていたものが、すべて「使えなくなる」という前提に立たなければなりません。

そのため、早い段階で「何を、どの方法で払っているか」を紙に書き出し、一覧にしました。


2. 支払い方法の切り替えは時間との勝負

支払い方法を変更するには「申請→手続き完了までのタイムラグ」が発生します。これが意外と盲点です。たとえば:

  • 公共料金の口座引き落とし手続き → 1〜2ヶ月後に反映
  • 携帯料金の支払い方法変更 → 翌月から適用
  • サブスクの支払いカード変更 → 有効期限切れまで猶予あり

この時間差のせいで、うっかり「カードが止まってから変更」では間に合わないことがあります。

私の場合、すべての支払いについて少なくとも破産申立ての1ヶ月以上前には、変更手続きに取り掛かりました。


3. クレジットカードに代わる選択肢は?

■ デビットカードの活用

破産後に新たなクレジットカードを作ることはしばらく不可能になりますが、デビットカードは信用審査がないため、発行可能です。

デビットカードのメリット:

  • 通常のクレジットカードと同じようにネットショッピングで使える
  • 引き落としが即時なので、使いすぎを防げる
  • Visa・Mastercardなど、ブランド付きのカードも多い

私は銀行口座に紐づけたデビットカード(Visaデビット)を1枚作成し、今も生活の主力にしています。

ただし注意点もあり、一部の支払いではデビットカードが使えないことがあります。


■ デビットカードが使えなかったケース

  • 一部の格安SIM会社(クレジットカードのみ対応)
  • 高速道路のETCカード(通常はクレカ連動)
  • 月額払い系のサブスクで、認証エラーが出るケース
  • 航空券やホテル予約など、一部の海外サイト

このような場合、代替手段を考えなければなりません。


4. 携帯キャリアの変更も視野に

私は当初、大手キャリアのahamoを使っていましたが、支払い方法がクレジットカード限定だったため、破産前に日本通信SIMへ乗り換えました(※日本通信は口座引き落としとデビットカードに対応)。

キャリア変更のポイント:

  • クレジットカード以外の支払い方法に対応しているか
  • 音声通話や通信容量など、今の自分に必要なプランか
  • MNP(電話番号引き継ぎ)の準備がスムーズにできるか

現在は格安SIMの選択肢も多く、通信費を見直すよい機会にもなりました。


5. ETCカードは「パーソナルカード」で代用可能

ETCの支払いも、クレジットカードに紐づくものがほとんどです。しかし、破産後でもETCを使い続けたい場合、**「ETCパーソナルカード」**という選択肢があります。

これはNEXCOが提供している保証金型のETCカードです。

  • あらかじめ保証金(2万円〜)を支払う
  • 利用料は毎月、登録口座から引き落とし
  • 信用審査不要で、破産後でも申し込み可能

私もこのカードを使っていますが、通常のETCカードと同じように使えるため、とても助かっています。


6. サブスクは「なくても死なない」が、慎重に見直す

破産を前にして、サブスクリプションサービスの見直しも行いました。

たとえば:

  • Amazonプライム
  • Netflix、Huluなどの映像系
  • 音楽配信、クラウドストレージなど

生活に絶対必要というわけではないものも多いため、「これは本当に今必要か?」という基準で取捨選択しました。

結果的に、月5,000円ほどの固定費がカットできました。


7. まとめ:クレジットカードを手放す前に「支払いの棚卸し」を

破産を決意したとき、多くの人が「お金がない」ことばかりに意識が向きがちですが、生活の仕組みそのものがカード依存になっていることのリスクにも目を向ける必要があります。

その中でも「支払い方法の見直し」は、スムーズな破産手続きを進め、生活の混乱を防ぐための必須ステップです。

破産後も、ライフラインは止めずに普通の生活を続けていくことはできます。そのためにも、クレジットカードの代替手段と支払い管理の整備は、早めに準備しておくことを強くおすすめします。

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