家計簿をつける様子_家計の立て直しに家計簿が役に立った話

破産

破産準備で始めた家計簿が、人生を変える習慣になった話

資料準備に悪戦苦闘する日々の中で、「これは自分のためになった」と思えたのは、弁護士から「破産が完了するまでは必ずつけてください」と言われていた家計簿でした。

正直、「うわ、家計簿ってめんどくさ…」と思ったのは本音でした。

今さら家計簿の話など持ち出さなくても、堅実な生活をしている方はずっと以前からやられていることだと思いますし、目新しいものでもありません。

しかしやってみてわかった家計簿の重要さ!

実はいままでなんども挫折した家計簿

私は就職活動の面接で「経理が得意です」などと言っておきながら、自分のお金の管理はやはり甘アマでした。

いや、これまでも家計簿とまではいかなくても「ちょっと家計管理したほうがいいよな」と思ってきちんとレシートを受け取ったりもしましたよ。

でも、家に帰ればそれはただポイっと山積みに。しまいにはゴミ箱へ。

しかし今度は弁護士と裁判所の目があるので必須事項です。

強制的な家計簿付けだったからこそ自分の身に付いた

前の記事でフルタイムの仕事に就くことが出来た話を書きましたが、社会保険や所得税が引かれた後の手取りでは、毎月のやりくりは本当にギリギリでした。

そこで家計簿をつけ始めるにあたって、毎月必ず支出している家賃や光熱水費、通信費など固定費および準固定費を把握し、あらかじめ予算化して書き込んでおきます。

残る金額で食費・日用品等に振り分けました。

実は固定費を差し引いた段階ですでに残るお金はわずかですが、これでやりくりしなければなりません。

格安ドラッグストアが私の味方になった

幸い、これも運が良いことに破産準備をする頃すぐ近所に格安ドラッグストアがオープンしました。ここは支払方法が現金のみですが、その分他店舗とは比較にならないくらい安い食材がならべられています。

「この1袋で5食分あるな、すると1食分は○○円で済むな。これは買い!」という具合で、かなり細かくコスト計算して買い物を続けました。

そうしているうちに、カツカツで辛くなりそうな生活にもかかわらず、新たに安い食材を見つけることが喜びになり、最近ではこのカツカツ生活を楽しむ余裕が生まれています。

外食など一切やめた。100円の買い物を思いとどまれる思考が身に付く

もうひとつこれも大事なこと。

余裕が無くなったからということが一番の理由ですが、家計簿での資金管理によって、食費の概要が見えてきました。

フルタイム仕事では勤務中の昼食は社員食堂の500円ほどのランチを食べています。

勤務中はしかたないのでこの社食を一か月分10,000円と予算を見ています(500円×20日)。

今ではそれ以外の自宅の食費は30日間の朝食・夕食60食+昼食10日分を約16,000円でまかなえるよになりました。1食平均230円です。

この1食の金額を把握したら、大好きな「すき家」の牛丼もコンビニ弁当も、そして夕方になると割引セールになるスーパー弁当すら高額に感じて手が出なくなりました。

庶民の味方のような牛丼も中盛+生卵で750円くらいになってしまい、いまの私の1日分以上の出費になってしまいます。

そのほか100円単位、数十円単位の買い物すら思いとどまって「これは本当に必要なものか?」と常に考える力がついたと思います。

でも栄養バランスには注意を払おう

ただここで注意してほしいのは、安くすませられると言っても炭水化物だけというようなアンバランスな食事内容は良くありません。

私はウエイトトレーニングをやっていたことがあるので、1日の必要たんぱく質量を計算して食事を作っています。
(必要なたんぱく質量=(自分の体重の実数)グラム、60kgの人なら最低でも60g必要です)

今後お金に余裕が出来たとしても、この生活を続けたいと思えた

カツカツ生活を送りながら、ふと思うようになりました。

「今すごく大事なことを学んでいる…」

今の私にとって、そしてこれから高齢者になっていく私にとって、このように無駄のない暮らしをすることは、自分を守ることに直結します。

今はまだギリギリでやりくりしていますが、高齢になっていくことでいつどんな病気やケガに見舞われるかわかりませんし、いくら「清貧」と言っても余裕がなさすぎる生活は危険です。

そのため破産が完了したら経理職員の仕事を続けながら(派遣が更新できれば、というのが前提になりますが)、またネット通販の事業を無理のない範囲で再開しようと思います。

さらに余裕ができれば株式などの金融投資によって資産の形成を図ろうと計画していますが、もし今後お金に余裕ができてもこのギリギリ生活を楽しみながら続けていきたいと思えるようになりました。

破産という苦しい決断が、思わぬ「生き方の学び」をもたらしてくれた──そんなふうに、今では感じています。

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