はじめに:20年ぶりの履歴書に戸惑うあなたへ
ハローワークに通ったりネットの求人情報で良さそうな会社が見つかったら早速アプローチです。そこまでは良いのですが、いざ会社側から返事あればふと悩んでしまう履歴書と職務経歴書。
履歴書を用意しようと思って最初に迷う点が、手書きかパソコンで作成かの判断です。
そもそも私たち中高年が新卒の就職活動をしていた頃はパソコンが普及していない時代なので手書きが一般的でした。
パソコンが十分に普及してきている現在、どちらで履歴書を作成すればよいのでしょうか。
いまの仕事が決まるまで十数社落ち続けた私がやってみてわかったのは、「履歴書・職務経歴書こそ、応募先ごとにカスタマイズしてこそ効果を発揮する」ということ。
この記事では、私自身が実践してきたカスタマイズ方法と、そのメリットを具体的にお伝えします。
第1章:履歴書は“パソコン一択”が現実的
中高年が就職活動を始めると、「履歴書はやっぱり手書きじゃないと失礼?」という考えがよぎるかもしれません。
ネット上でどっちが良いか?と調べてみるとほとんどの情報で「手書き・パソコンで採用率に差はない」とされています。
おそらくそれに間違いは無いでしょう。企業側が本当に見るのはその人の能力や人柄であって、書類が手書きかパソコンかなどどうでもいいことです。
ただ、実際に何社も応募してきた経験からすると、私たち応募側の事情として手書きには“現実的なメリットが見当たらない”と実感するようになりました。
パソコン作成のメリット
- 誤字があってもすぐに修正できる
- 応募先に応じて内容を簡単に変更できる
- レイアウトが整っていて読みやすい
履歴書の内容は学歴や職歴など過去の事実以外の、保有資格や応募動機などは相手企業によって変えるべきです。
資格については、全く資格を持っていないのであれば仕方ないですが、これまでの数十年の経験で得た資格があれば、応募企業にフィットする資格をPRするほうが採用側も判断がしやすくなります。
また応募動機の項目も、たとえば仮に営業職の経験しか無いという人だったとしても、営業資料の作成経験からパソコンの使いこなしがアピールできるかもしれませんし、飲食業に応募するなら「接客スキル・トーク力」をアピールすることもできます。
このように単一の職歴からもアピールの方向性は多岐に伸ばせるはずです。
こうした内容のチューニングをするためにも、履歴書はパソコンで作るのが最善です。
手書きのデメリット
そもそも手書きで誤字脱字無く完璧に書くことできますか?
最後の最後で字をミスったらまた最初から書き直さなくてはなりません。
修正ペンや修正テープを使うのはもってのほかです。そんな履歴書を提出すれば門前払いは確実です。
ミスなく綺麗に書き上げることが出来るなら冒頭で述べたように「採用の差は無い」かもしれませんが、労力の割に得られる物はとくに大きくないと思います。
第2章:職務経歴書は“採用側の視点”で作成する
履歴書が過去の事実をまとめた「履歴」に過ぎないのに対して、職務経歴書は自分のスキル・経験・強みを相手に伝える「プレゼン資料」です。
内容次第で通過率も大きく変わるため、最も時間をかけるべき書類と言っていいでしょう。
実際私も職務経歴書の作成は何度も加筆編集校正を繰り返してかなりの時間を使いました。
職務経歴書に書くべき内容
- 経歴要約:簡潔に職歴の流れをまとめる
- 業務内容:どんな仕事をしてきたか、できるだけ具体的に
- スキル・資格:レベル感も含めて記載
- 自己PR・強み:仕事への姿勢や成果、性格的な長所など
- 改善点と努力:苦手なことへの対処法なども入れると誠実さが伝わる
そして大事なのは、応募する立場として書くのでは無く、自分が採用担当だったらどんな人に来てもらいたいか、という採用側目線で記述していくことです。
その観点で自分の職務経歴を振り返り、アピールポイントを導き出すのです。
経歴を盛りすぎないことも大切
職務経歴書を書いていると、採用されたい!という思いからついやりがちになるのが、ちょっとスキルや実績を盛りがちになること。
はい、私もやりました。
HTMLやCSSは完全に書けますがJavaScriptは読める程度だったのに「出来る」と書いてしまったことがありました。すみません。
あとでリカバリーできる程度の「ほんのちょっとした盛り」ならアリかもしれませんが、過剰なのはもちろん禁物です。
運良く採用されたとしても、求められるレベルに追いつけなければあとで自分が一番つらくなります。
第3章:10社落ちて得た“書類改善”という気づき
これまでの記事にも書いたように、私も実際いまの職場が決まるまでに十数社落ちました。
なので、こうやっていろいろ書いていますが、私がエラそうに言える立場ではありませんし、ベストな内容を書けているわけでもありません。
しかし逆に言えば10社以上落ちているから「次の職務経歴書はここをちょっと直そう」とか「今度の面接ではこういうふうに答えられるようにしよう」など、経験を積んで良い方向修正ができたと思います。
1社目2社目で採用されれば苦労はないですが、中高年の就活・転職活動は軽く10社くらいは普通に不採用になります。
したがって最初から「10社20社受けまくって練習しよう」の心構えで臨めばいつかあなたのスキルや人柄を欲しい、と思ってくれる会社に出会えるはずです。
結び:「書類を使い回す就活」から抜け出そう
履歴書や職務経歴書は、ただ書いて終わりの書類ではありません。
応募先ごとに内容を少しでもカスタマイズしていくことによって、あなた自身の強みがより明確になり、「この人に会ってみたい」と思ってもらえる確率も上がります。
もしあなたが、「何社も落ちていて不安だ」と感じているなら、それは“改善の余地がある”ということ。
1社目で決まることは少なくても、10社目で「あなたに来てほしい」と言ってもらえる日が、きっと来るはずです。
それまで、自分の履歴書を“成長記録”だと思って、大切に磨いていってください。