新人なのにエラそうな中高年社員の様子

中高年の仕事探し

再就職できた中高年こそ注意!「優秀さ」が仇になる瞬間とは?

はじめに:次の職場は「前職と違う」のが当たり前

中高年が再就職を果たすと、ホッと胸をなでおろすものです。特に、長年働いた会社が倒産したり、リストラにあったりした末に、新しい職場に入れたとなればなおさらです。

しかし、そこで注意しておくべきことがあります。

それは、「仕事ができる人」ほど新しい職場でつまずきやすいということ。

えっ?と思われるかもしれませんが、実は“優秀さ”が原因で周囲との関係を悪くしてしまうケースがあるのです。

この記事では、その理由と、円滑に職場になじんでいくために私自身が意識したことをお伝えします。


1. 中高年の再就職先は“規模縮小”が当たり前

リストラや倒産をきっかけに職探しをすると、多くの場合は前職よりも規模が小さな会社に再就職することになります。

・かつては社員数1000人の上場企業 → 今は社員20人の中小企業 ・整ったマニュアルやITシステム → 紙の書類とExcelでの手作業

このように、業務の“環境ギャップ”は非常に大きい。

問題は、このギャップに直面したときの「気持ちの揺れ」です。


2. 見えてくる「アラ」、こみ上げる“比較”と“違和感”

業務内容を見てダメ出しをする新人中高年社員

いざ新しい職場で仕事を始めると、つい前職と比較してしまう瞬間が出てきます。

  • 「この工程、前の会社なら自動化されてたのに」
  • 「このやり方、非効率すぎる」
  • 「この人、仕事が雑すぎないか?」

実際、私もそうでした。私は零細企業の経営者でしたが、自分なりにIT化・業務効率化を徹底していたこともあり、新しい職場の「紙エクセル」や「ハンコ文化」には正直驚きました。

ですが、ここでその違和感をそのまま表に出してしまうと危険です。


3. 「前の会社では~」はNGワード

再就職して間もない中高年が職場で嫌われてしまうパターンのひとつが、「前職自慢」「昔のやり方推し」です。

  • 「私のときはこうしてた」
  • 「そのやり方は古いよ。こうした方がいい」
  • 「うちのやり方を見習った方がいいと思う」

これは、たとえ正論であっても歓迎されません。

周囲の若手社員や同僚から見れば、「この人、また自分のやり方を押し付けてきたよ」「前の会社の話ばっかり」と感じられてしまい、距離を置かれてしまうことも。

「能力がある人ほど浮く」──というのは、こういった“過去の成功体験”を引きずってしまいがちなところにあります。


4. “なじむ力”が何より大事なスキル

私は新しい職場に入ってから、こう考えるようにしました。

「仕事ができる」より「その職場に溶け込める」ことの方が100倍大事。

経験やスキルはもちろん強みになります。

でもそれは、“求められたときに出す”ことが鉄則。

最初からそれを出してしまうと、「生意気」「空気が読めない」「扱いにくい」と思われてしまうリスクがあるのです。

特に中高年というだけで、最初から「扱いづらそう」「プライド高そう」といった色眼鏡で見られていることもあります。

だからこそ、最初は “聞き役” に徹するくらいがちょうどいいのです。


5. こんなことを私は心がけました

私は実際に以下のようなことを意識して行動してきました。

  • 最初の1ヶ月は空気を読むことに集中:改善案を出すより、現場のやり方を覚える
  • 若手にも敬語で接する:年齢マウントをしない
  • 気になったことはメモ:でもその場で口に出さない
  • 改善アイデアは信頼ができてから、上司にだけ伝える
  • 「教えていただきありがとうございます」を口癖に:感謝の積み重ねは信頼を生む

そして何より大事なのは、「会社を変えようとしない」こと。

まずは会社に自分をフィットさせていく。それが信頼を得る最短ルートです。


6. 「優秀さ」を生かすタイミングは必ず来る

これは不思議な話ですが、我慢して何も言わず、ただひたむきに仕事をしていると、やがてまわりがこう言ってくるようになります。

「○○さん、実はこういうの詳しいですか?」 「このへんの改善案、相談してもいいですか?」

そのとき初めて、自分の経験や知識を発揮すれば良いのです。

その頃には人間関係もできあがっており、「口を出しても大丈夫な人」として受け入れてもらえているからです。

つまり、「最初は黙ってなじみ、信頼を得てから貢献する」ことこそが、中高年にとって最も効果的なキャリア戦略なのです。


まとめ:「謙虚な優秀さ」が信頼をつくる

中高年で再就職に成功したら、それは確かに大きな成果です。

ですが、本当のスタートはそこからです。

優秀な人ほど、職場の「非効率」や「改善点」が目についてしまいます。

でも、それをいきなり言葉にしてはいけません。

まずは、職場に敬意を払い、謙虚に立ち回り、信頼を築くこと。

その上で、あなたの持っている経験やスキルを“必要とされたとき”に出していけば、周囲は「頼れる存在」として見てくれるようになります。

中高年だからこそ、“空気を読む力”という最大の武器を持って、長く活躍できる職場を築いていきましょう。

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